各種依頼におけるカスタムや修理の例

ここでは、主要なメニューの実加工例を紹介しております。

プロードライザの交換

☆交換前
交換対象は、RSX側のプロードライザ(OE907,OE108,OE128,2R5 122等)2個となります。別途料金を頂戴しますが、CELL側も交換可能です。

・作業の流れ
プロードライザ剥離→はんだ調整→代替コンデンサ実装→陽極ブリッジ

プロードライザは、基板を傷つけないよう注意しながら物理的に剥がします。ヒートガンで加熱して剥がす方法は基板にダメージを与える恐れがありますので行いません。

☆交換後

代替コンデンサは、
・Panasonic製SP-Cap(導電性高分子アルミ電解コンデンサ、EEF-GX0E471R
となります。

SP-Capは、プロードライザより優れた周波数特性を持っており、ESR等々の性能面でも勝っています。
プロードライザの配線と同一にするため、陽極のブリッジも行います。

SP-Capの特長等についてはこちらをご覧ください。
導電性高分子アルミ電解コンデンサ(SP-Cap)
*Panasonic Industry 公式サイト

オーバーホール

未清掃の状態のCECHB00となります。全体的にホコリが多く、また一部の網目部分にはホコリが詰まっており、吸気効率が低下していることがわかります。
この機体は非喫煙環境で使用されたものであると推定されます。ホコリ等の堆積状況も比較的軽微ですが、中には完全に目詰まりしているもの、喫煙環境特有のヤニなどを含んだ粘性や水気のあるホコリが堆積している機体などもあります。

清掃後のCECHB00となります。パーツ単位で分解し、内部の状態は新品のときと同様になっています。
最初期型のCECHA00,B00は冷却構造に問題があるため、穴あけ加工等で冷却効率を上げることが推奨されます。やむを得ず未加工で使用する場合は、室温や風通しの良さなどの環境に注意する必要があります。いずれにせよ、定期的なオーバーホール等のメンテナンスをして、故障を防ぎましょう。

冷却ユニットを取り外したときの様子です。メーカー標準のグリスは劣化しており、新品の状態と比べると冷却効率は低下していると思われます。

清掃後の状態です。冷却ユニット内部やフィン1枚に至るまで、徹底的に清掃してあります。

基板上にもホコリが堆積します。左半分は未清掃、右半分は清掃後となりますが、その違いがはっきり判るかと思います。
汚れやホコリを放置すると、ショートや腐食の原因となります。
完全オーバーホールでは、あらゆる部品を点検し故障の原因であるホコリ等の除去、消耗品の交換等を行います。

「中古品を購入したが、すぐに壊れてしまった。」というケースがときどき見受けられます。特に初期型モデルは、製造から10年以上経過しているため、ほぼ確実にメンテナンスが必要です。自分で分解清掃等をするか、整備済品を購入しましょう。
*一部では、封印シール偽装を行っていたり、YLOD修理品を整備品と称して販売していることもあります。粗悪品を掴まされないためにも、出品者の評価や商品説明、商品画像をよく確認しましょう。

底面8cm穴あけ+薄型ファン+ガード+ゴム足取付

加工後の外観(一例)

高さ18mmの低底仕様です。

外観を損なわずに冷却構造を改良

比較(左:12cm、右:8cm)